YouTubeの切り抜き動画は著作権侵害にあたる?注意点を解説

切り抜き動画とは、動画投稿サイト等に投稿された動画やライブ配信の一部を切り抜き再編集して投稿した動画のことをいいます。
オリジナルの動画よりも要点がまとまっている、面白い箇所だけを視聴することができるといった理由から高い需要があるため、YouTubeで他人の動画の切り抜き動画を制作して収益化を図りたいとお考えの方も多いのではないでしょうか。
それでは適法に切り抜き動画を制作・配信するためにはどうすればいいのでしょうか。
本稿では、YouTubeの切り抜き動画は著作権侵害にあたるのか、切り抜き動画を上げる際の注意点について解説していきます。

YouTubeの切り抜き動画が著作権侵害にあたるか

結論から言えば、原則として、動画の権利者に無許可で切り抜き動画を投稿すると、権利者の著作権を侵害することになります。

そもそも、著作権とは著作物を保護する権利です。
著作権は「複製権」「上映権」「演奏権」等のさまざまな権利の集合体で、これらが束になったものであり、これら一つ一つの権利のことを支分権と呼びます。
そして、著作物とは、「思想または感情を創作的に表現したもので、文芸・学術・美術・音楽の範囲に属するもの」をいうと著作権法で定められています。
簡単に言えば、作者の何らかの個性があらわれた表現物をいい、YouTubeに投稿される動画も著作物に当たります。
そのため、切り抜き動画をオリジナル動画の権利者に無断で投稿すれば、オリジナル動画の権利者の著作権を侵害することになります。
具体的には、「著作物を複製する権利」である複製権、「著作物について、公衆送信を行う権利」である公衆送信権、著作物を「翻案する権利」である翻案権を侵害することになる可能性があります。

著作権侵害をした場合の責任について

他人の著作権を侵害した場合には、刑事上・民事上の責任を負うことになります。

刑事上の責任

著作権侵害は、著作権侵害罪という犯罪に当たります。
10年以下の懲役もしくは、1000万円以下の罰金、またはこれらの両方が科せられることが著作権法で定められています。

民事上の責任

著作権侵害をした場合、著作権者に対して、民事上の責任を負うことになります。
具体的には、著作権者から、切り抜き動画の投稿によって被った損害に対する損害賠償請求等がされる場合があります。

切り抜き動画を投稿する際の注意点

以上解説した通り、切り抜き動画を無許可で投稿すれば著作権侵害になります。
もっとも、著作権者から許可を受ければ適法に動画を投稿することができます。
切り抜き動画は、著作権者とライセンス契約を締結し、ライセンス料を払った上で適法に投稿しましょう。

YouTubeの切り抜き動画などの著作権問題については小川昌宏法律事務所までご相談ください

以上の通り、YouTubeの切り抜き動画は著作権侵害にあたるか、また投稿の際の注意点などについて解説してきました。

YouTubeの切り抜き動画を投稿したい場合、まずは本人の許諾を得ることが大切です。
無許可で投稿してしまったなど、法的なトラブルの危険を感じた場合には弁護士に相談することをお勧めします。

小川昌宏法律事務所では、著作権等の知的財産権についてのご相談も承っております。
お悩みの際は、お気軽に一度当事務所までご相談ください。